検索キーワードが「not provided」と出てしまってキーワードが分からないじゃないか!

ホームページを持っている人は、アクセス解析といった大袈裟なことではなくてもアクセス数や参照元サイト(被リンク)、そして検索キーワード(どういったワード(言葉)で辿り着いたか)は気になるものですよね。

そのアクセスを調べるのに最も使われているツールが「Google Analytics(グーグル アナリティクス)」です。

無料で高機能なのでほとんど皆様がお使いになっているのではないでしょうか。

「Google Analytics(グーグル アナリティクス)」では
『表示回数』『クリック数』『平均掲載順位』『CTR(クリック率)』が分かります。
このデータを元に、『流入につながっているキーワードと検索されているが流入まで至っていないキーワード』
『表示回数は多いのにクリックされているキーワードと、表示回数は少ないのにクリックされていないキーワードの違い』

などを確認しながら改善、対策につなげていっていると思います。

ところが3,4年前程からこのキーワード検索に異変が起きているのはご存知でしょうか?

「Google Analytics(グーグル アナリティクス)」を普段お使いになっている人は既知の事柄かと思うのですが、「検索エンジン最適化→検索クエリ」の項目で検索キーワードを見ることが出来るのですが、1番数字が大きいところに「not provided」と出ている。

これはどういうことなのか?

1番数字が大きいので気になってしょうがない!!!

「not provided」って何?

グーグルは2011年10月18日に、ウェブ検索のSSL(HTTPS)化を進めることを発表しました。

これは、グーグルアカウントでログインしているユーザーが、グーグルのウェブ検索を行う場合、これまでのhttp(通常のページ)ではなく、SSLで通信が暗号化されるhttpsになる。

つまり暗号化することによって情報公開しないということなのです。
これによってユーザーの個人情報は守られる。しかし、ホームページを持っている人にとっては今まで分かっていた重要な指標になっていたユーザーの検索キーワードが分からなくなってしまったのです。

Google Analyticsでは「not provided」という表示になり分からない状態になっています。

◆今までの歴史
2011年10月 ―― 米GoogleでGoogleアカウントにログインしているユーザーにHTTPS検索を適用
2012年3月 ―― 日本のGoogleでもGoogleアカウントにログインしているユーザーにHTTPS検索を適用
2013年9月 ―― ログイン状態に関係なく、全ユーザーにHTTPS検索を適用
2014年4月 ―― 米Yahoo!でHTTPS検索を適用、Bingも試験的に導入
2015年8月 ―― 日本のYahoo!でHTTPS検索を適用

「Yahoo!検索」も2015年8月18日からSSL化を段階的に実施すると発表してこれでもうほとんどHTTPS検索が適用されます。
http://promo.search.yahoo.co.jp/news/service/SSL.html

SSL化の流れは個人情報などの大切な情報を守る意味でもセキュリティ対策。
これはリテラシーの問題。社会的にそういった風潮になっているので誰も止めることはできません。

では、こういった事に対してどういう対策をしていけばよいか。

それを考えていきましょう。

対策1.フィルタ機能を使って、(not provided)を最初から「ページタイトルで」表示させる

ランディングページを出して、キーワード予測をする他に、アナリティクス上からnot provided表記を全てページタイトルに置き換える方法もあります。

設定をご説明いたします。

①設定変更したいサイトのレポート画面で「アナリティクス設定」をクリック

左側の「すべてのフィルタ」をクリック

②「フィルタ名」に任意の名前を入れて、「フィルタの種類」は「カスタム」を選択。「詳細」のラジオボタンを選択。

③次に上記の画面のように、フィールドA、フィールドB、出力先を設定してください。

以下、詳細です。

フィールド A -> 引用 Aには、
「キャンペーンのキーワード」を選択し、(not provided)を記入。
フィールド B -> 引用 Bには、
「ページタイトル」を選択し、(.*)を記入。
出力先 -> 構成は、
「キャンペーンのキーワード」を選択し、NP – $B1を記入。
「フィールド B は必須」にチェックを入れる。
全て記入したら、「保存」をクリック。

※NPの部分は、Not Providedの略で入れていますが、任意に変更可能です。$B1の部分は必ずこの表記どおりに記入してください。(ページタイトルの意味です。)

④最後に「ビューにフィルタを適用」を設定して保存

上記を入力後数時間程度待つと、アナリティクスの画面上でも以下のように、キーワード部分にページタイトルが表示されるようになります。

source:http://tonogata.hatenablog.com/entry/2013/12/21/102034
※上記のページを参考に致しました。参考ページではフィルタの「フィールドA」の記述が『(.not provided.)』となっていますが、現在この記述では動かないようです。本稿のように『(not provided)』とドットなしで記述してください。

対策2.Search Console(サーチコンソール)を利用する

サーチコンソール
Googleはサイト運営者へ向けて Search Console(旧 Googleウェブマスターツール)を提供しており、ツール内にある「検索アナリティクス」を使うことでキーワード調査ができます。

ここで分析できるのは、運営しているサイトがどれくらいの頻度でGoogleの検索結果に表示されたのか、また、どれくらいクリックされ、順位はいくつなのかということを、各キーワードごとに調査できます。

https://www.google.com/webmasters/tools/home?hl=ja

対策3.他の検索エンジンからキーワードを取得する

競合分析ツールであるSimilarWebというのが凄いです。
https://www.similar-web.jp/

Google Analyticsと違って、クリックストリームデータと呼ばれる独自のユーザーの行動履歴からアクセス解析を行っています。そのため通常のように検索キーワードを取得することができます。

無料版ではキーワードが5件取ることができますが、有料版では制限なく検索キーワードを取得することができます。
SimilarWeb

対策4.リスティング広告で多くの配信を行い、流入キーワードを計測する

オーガニックでのキーワードを計測することはできませんが、代わりに広告キーワードで補うという方法です。

リスティング広告を出せば、クリックされたキーワードなどの検索クエリを見ることができます。それを利用して、たくさんの目ぼしいキーワードに入札して、それらの流入キーワードを分析することで「どのようなキーワードでの検索が多いのか?」をある程度予測するのです。

ただし、この方法は広告にかかるコストがかかってしまい、その他で紹介する方法をきちんと行えばあまり実用的とは言えないかもしれません。検索キーワードを取得することと、リスティング広告にかけるコストを考慮し、費用対効果に確信を持てればこの方法を使ってもいいかもしれません。

対策5.自社の運営サイトを常時SSL化する

自社の運営サイトをまだSSL化をしていない場合は、自社の運営サイトを常時SSL化するべきです。

するべきといっても、するには大変な作業かと思います。すぐに着手することは難しいでしょう。

しかもSSL化をしてもキーワードの取得ができるわけではありません。

しかし自社の運営サイトをhttps(SSL)サイトにすることで、その他のSSL化したサイトからリファラー情報を得ることができます。

この仕組みについては、SSL化と非SSL化のサイト間での通信を理解しないといけませんので、詳しくは以下の記事を参考にするとよいでしょう。

参考:http://www.ayudante.jp/column/2015-08-20/15-08/

また、Googleが、https(SSL)サイトをSEOランクにおいて優遇すると発表しているので、SEOの観点からも自社の運営サイトのSSL化は必須といえるでしょう。

Google では過去数か月にわたり、Google のランキング アルゴリズムでのシグナルとして、暗号化された安全な接続をサイトで使用しているかを考慮に入れたテストを実施してきました。この実験ではよい結果が得られているため、ユーザーがもっと安全にサイトを閲覧できるよう、すべてのサイト所有者の皆様に HTTP から HTTPS への切り替えをおすすめしたいと考えています。

sourse:http://googlewebmastercentral-ja.blogspot.jp/2014/08/https-as-ranking-signal.html

考察

まずは対策1の「フィルタ機能を使って、(not provided)を最初から「ページタイトルで」表示させる」をするのが優先順位としては1番ではないでしょうか。

それと同時にGoogleのSearch Console(サーチコンソール)を利用する。
これは非常に簡単です。そもそも、ホームページ立ち上げの時に設定するべきものです。

SimilarWebという独自のアルゴリズムで解析するという(どんなアルゴリズムなんや?!)サイトも非常に興味深いので無料版をまず参考にする。有料版ではより多くの情報を得られそうなので、予算があれば有料版を使ってみてもよいと思います。

リスティング広告はその扱っているページ(商材)がリスティング広告の必要があればやるでしょう。
ただリスティング広告の必要性がないのに検索キーワードだけほしくてやる人はいないでしょう。
予算が余分にあれば別ですが。。w

対策5の「自社の運営サイトを常時SSL化する」については非常に作業量の重いはなしだと思います。
こういった記事なども参考にしながら、必要性を検討してみてはいかがでしょうか。

「HTTPS移行のよくあるQ&A 13連発。順位は? インデックスは? 作業は? などSEO記事まとめ10+3本」
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/02/05/22104